ある夜、わたしは夢を見た。
わたしは、主とともに、渚を歩いていた。
暗い夜空に、これまでの私の人生が映し出された。
どの光景にも、砂の上に二人のあしあとが残されていた。
一つは私のあしあと、もう一つは主のあしあとであった。
これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、
わたしは、砂の上にあしあとに目を留めた。
そこには一つのあしあとしかなかった。
私の人生で一番つらく、悲しい時だった。
このことがいつも私の心を乱していたので、
わたしはその悩みについて主にお尋ねした。
「主よ。わたしがあなたに従うと決心したとき、
あなたは、すべての道において、私とともに歩み、
私と語り合って下さると約束されました。
それなのに、私の人生の一番つらい時、
一人のあしあとしかなかったのです。
一番あなたを必要とした時に、
あなたが、なぜ、私を捨てられたのか、
私には解りません。」
主は、ささやかれた。
「私の大切な子よ。
わたしは、あなたを愛している。あなたを決して捨てたりしない。
ましてや、苦しみや試みの時に。
あしあとが一つだったとき、わたしはあなたを背負って歩いていた。」
『あしあと』多くの人々を感動させた詩の背後にある物語
幾百万もの人々を感動させたこの詩は、長い間、作者不明とされていました。
ところが、思いがけないところから作者が判明。カナダに住むマーガレット・パワー
ズさんは、夫と娘が水難事故に巻き込まれ、自分も腕を折るという試練の時、
「この詩をお読みすれば、きっと励ましになると思うの」と、夫に対して看護婦さ
んが読ん
でくれた詩を聞いて驚きました。それは彼女が若い頃に作った「フットプリ ント(あ
しあと)」という詩でした。
本は、太平洋放送協会という出版社から出ているそうです。
マーガレット・F・パワーズ著 松代恵美訳
B6判/169ページ 定価 1,000円
太平洋放送協会 電話 03-3295-4921
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