2015年8月16日日曜日

No.003(あしあと- 多くの人々を感動させた詩)

「あしあと」という題のマーガレット・F・パワースの詩を紹介します。   

                   

 ある夜、わたしは夢を見た。                        

わたしは、主とともに、渚を歩いていた。                  

暗い夜空に、これまでの私の人生が映し出された。              

どの光景にも、砂の上に二人のあしあとが残されていた。           

一つは私のあしあと、もう一つは主のあしあとであった。           

これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、              

わたしは、砂の上にあしあとに目を留めた。                 

そこには一つのあしあとしかなかった。                   

私の人生で一番つらく、悲しい時だった。                  

このことがいつも私の心を乱していたので、                 

わたしはその悩みについて主にお尋ねした。                 

「主よ。わたしがあなたに従うと決心したとき、               

あなたは、すべての道において、私とともに歩み、              

私と語り合って下さると約束されました。                  

それなのに、私の人生の一番つらい時、                   

一人のあしあとしかなかったのです。                    

一番あなたを必要とした時に、                       

あなたが、なぜ、私を捨てられたのか、                   

私には解りません。」                           

主は、ささやかれた。                           

「私の大切な子よ。                            

わたしは、あなたを愛している。あなたを決して捨てたりしない。       

ましてや、苦しみや試みの時に。                      

あしあとが一つだったとき、わたしはあなたを背負って歩いていた。」     






『あしあと』多くの人々を感動させた詩の背後にある物語
 幾百万もの人々を感動させたこの詩は、長い間、作者不明とされていました。
ところが、思いがけないところから作者が判明。カナダに住むマーガレット・パワー
ズさんは、夫と娘が水難事故に巻き込まれ、自分も腕を折るという試練の時、
 「この詩をお読みすれば、きっと励ましになると思うの」と、夫に対して看護婦さ
んが読ん
でくれた詩を聞いて驚きました。それは彼女が若い頃に作った「フットプリ ント(あ
しあと)」という詩でした。

本は、太平洋放送協会という出版社から出ているそうです。

 マーガレット・F・パワーズ著 松代恵美訳 
 B6判/169ページ 定価 1,000円
太平洋放送協会 電話   03-3295-4921

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