2015年8月15日土曜日

No.075(45歳の王座奪回- ジョージ・フォアマン)

45歳の王座奪回

1995年、ボクシング・ヘビー級の元チャンピオン、ジョージ・フォアマンが、チャ
ンピオンのマイケル・モーラー(26歳)をノックアウトし、20年ぶりの王座奪回を
果たした。
このときフォアマンはなんと45歳。もちろん、最年長世界王座奪取記録である。カメ
ラのシャッターを切るカメラマンたちとジャーナリストの目は、信じられない光景を見
てしまったという戸惑いと、興奮に満ちていた。
フォアマンは、じつはその10年前からキリスト教の牧師をしている。彼はボクシング
をして、肉体の限界まで戦っていたさなかで、神に出会ったという。そのときの体験
を、こう語っている。
「試合後、私は控え室で息も絶え絶えになって横たわっていた。そのとき、一瞬、自分
が死んで、また生き返る姿を見たんだ。キリストの血が、私の顔にも、手にもついてい
た。私は、イエスが私の中で生き返ったと叫びだしていた。
それはじつに衝撃的な体験だった。私は宗教など全く信じていなかったし、貧乏人が信
じる世迷い事くらいにしか思っていなかった。だが、私はプエルトリコを去るときに
は、全く新しい人間になっていた。私に何かが起きたのだ」。
以来、彼の人生は確かに変わった。フォアマンは教会のほかに、青少年のための「ユー
スセンター」等を主宰しており、そこに多大な寄付を行なってきた。彼はファイトマ
ネーを、そうした伝道事業や、慈善事業のために使っている。
ボクシングというと野蛮な格闘と思われることもある。確かに彼のボクシングも、以前
はそうであった。それはただ相手に打ち勝つという勝利と、自己顕示と、名誉のため
だった。
しかしその後のフォアマンは、自分に打ち勝つために戦っているという。彼はまた、4
5歳の中年男でもチャンピオンになれることを示して、青少年たちが人生の戦いを力強
く勝ち抜いてくれるよう励ましたかったという。
人生は戦いである。その戦いに勝つには、まず己に打ち勝つことである。


フォアマン George Foreman 1949〜 アメリカのプロボクサー。1973〜74年のヘビー
級チャンピオン。94年、ヘビー級タイトルを奪還し、スポーツ史上もっとも驚異的なカ
ムバックをはたした。1977年に引退し、牧場経営のかたわらキリスト教の伝道師として
生活をおくるが、10年後、38歳でふたたびリングに復帰した。

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