2015年8月16日日曜日

No.091(母の祈り- アウグスティヌス)

母の祈り

モニカには深刻な悩みがありました。大切な息子のアウグスティヌスが、まことの
神様に従わず、乱れた暮らしをしていたからです。
16歳の時からカルタゴで修辞学を学んだアウグスティヌスは、19歳で母の同意もな
く同棲して2人の子供をもうけました。
常に襲い来る肉の誘惑と自分が描く理想の姿とのギャップに苦しむアウグスティヌス
は、善悪二元論を唱えるマニ教に帰依して、ますます神様から離れていきます。
心配したモニカは、主教のアンブロシウスに相談しました。アンブロシウスは、「安心
して帰りなさい。涙の子は決して滅びることはない。」と励ましました。モニカは、息
子のために、涙を流して何年も熱心に祈り続けました。そして、天に召される1年前
に、モニカの祈りは答えられたのです。
すでに32歳になっていたアウグスティヌスが、アンブロシウスによってバプテスマを
受けると、モニカは、「私がこの世に少しでも生き永らえたいと思った望みは、一つだ
けでした。それは死ぬ前に、クリスチャンになったあなたを見ることでした」といって
喜んだということです。
アウグスティヌスは、やがて初期キリスト教会最大の思想家といわれるほどになり
ました。
『人は神に造られたものであるから、神に帰るまでは決して心に平安がない』
と言った彼のことばは、若い頃のさまざまな悩みとイエス・キリストを救い主と信じ
て与えられた心の平安をよく表しています。

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