2015年8月15日土曜日

No.081(聖書の翻訳)

聖書の翻訳
これらのことを書いたのは、あなたがたがイエスは神の子キリストであると信じるため
であり、また、そう信じて、イエスの名によって命を得るためである。
(ヨハネによる福音書20章31節)

新約聖書が書かれる前の時代には、「聖書」といえば現在の旧約聖書のことでした。そ
れはヘブル語で書かれていました。しかし、紀元前3世紀頃、エジプトのアレキサンド
リアに移住したユダヤ人たちが次第に母国語を忘れてギリシャ語しか理解できなくなる
と、聖書をギリシャ語に翻訳することが必要になってきました。こうしてできた最初の
翻訳聖書を、70人の学者が翻訳に関わったという伝説から、「70人訳」と呼んでい
ます。はじめに創世記から申命記まで、それから預言書、詩篇という順に、翻訳には長
い年月がかかったということです。
現在聖書は300以上の言語に翻訳されています。部分訳の聖書は2000以上もある
そうです。世界の人口の90%以上の人が、自分が話している言葉で聖書を読むことが
できるというわけです。日本語では、最初、1813年に新約聖書、10年後には旧約
聖書ができました。中国文化の影響で、文章は漢文でした。それから大勢の宣教師や学
者が何年も研究を重ねて、大変な努力の末、今のような日本語の聖書ができあがりまし
た。
けれども、世界には、話し言葉があっても文字を持たない人たちがいます。そういう人
たちは、どうしたら聖書を読めるのでしょうか。
1917年のことです。ウィリアム・キャメロン・タウンゼントというアメリカ人の青
年が、グアテマラで、家から家へ訪問しながら聖書を販売していました。暑さと闘い、
祈りながら働きましたが、聖書は少しも売れません。ある時、「あんたの神様は偉い神
様だというけれど、おれたちの言葉を話せないのかね?」い言われたので調べてみる
と、そこに住むカチキュエル・インディアンはタウンゼントが売っているスペイン語の
聖書を理解できないことが分かりました。2年後、タウンゼントはカチキュエル・イン
ディアンの地域に住み込んで、彼らのことばを学び始めました。音と文法の仕組みを分
析し、単語を一つ一つ採取して、辞書も自分で作りながら、1931年には新約聖書を
完成させました。このように、まず文字を作るところから始めなければならない聖書の
翻訳作業が、今でも多くの少数民族の中で続いています。
聖書は、すべての人を救いに導く神様からのメッセージです。ヘブル人への手紙には、
「神の言は生きていて、力があり・・・・・」(4章12節)と書いてあります。
日本語の聖書が与えられていることを心から感謝しましょう。この聖書をよく読んで、
神様の御心を知り、力をいただきましょう。

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