2015年8月15日土曜日

No.064(岡本太郎)

◆川崎市に「川崎市岡本太郎美術館」が開館(99年10月30日)。芸術 家の故・
岡本氏の作品多数が展示。 (読売新聞川崎版 1999年10月30日)

 川崎市多摩区の生田緑地に開館。故・岡本太郎氏の数々の作品が展示される。
また、壁面にもコンピュータグラフィック等によって作品や写真が浮かび上がる。開
館記念展として「多面体・岡本太郎」が開催。絵画や彫刻等290点を展示、岡本氏
の多彩な芸術活動を振り返る。
 開館時間:午前9時30分〜午後5時まで
 入 館 料:一般900円
 問い合せ:044-900-9898


私は人生の岐路にたった時、いつも困難なほうの道を選んできた。それが私の人
生観だ。(岡本太郎)


自然に生き、自分の気持ちを本当に伸ばしていこうとする人間は、まず、いたるとこ
ろで残酷に、壁に突き当たります。
相手が符丁なら、自分自身の精神も、やはりまた「八の字」でがんじがらめになって
いて、おのれの本心すらつかむことができないとしたら、——ことさらその矛盾に目
覚めてくる青春期には、どれほど苦しむかわかりません。
もちろん、芸術家だけには限らないのです。ふつうの社会人としてあらゆる事業に進
む人も、自由な人間といて仕事をしようとするものは必ず、この身についてしまった
「八の字」から脱出するために、自分自身の生皮を引き剥がすような戦いを、めいめ
いにやってゆかなければならないのです。
不幸な努力です。これからの人間は、はじめからもっと純粋で、高度な土台から出発
すべきで、そのほうが、人間的にも社会的にも強く、正しく、はるかに明朗な自由を
つかみとることができると思います。



岡本太郎  1911〜96 洋画家。父は漫画家岡本一平、母は小説家岡本かの子。東京に
生まれる。1929年(昭和4)東京美術学校に入学したが、半年で中退し、両親の渡欧にし
たがってパリにわたった。はじめはピカソに影響されるが、のちにシュルレアリスムに
傾倒して、「傷ましき腕」(1936)などを制作。パリ大学では哲学、民族学をまなび、40
年に帰国して、翌年、第28回二科展に滞欧作を特別陳列した。

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