2015年8月15日土曜日

No.079(キング牧師の夢)

キング牧師の夢
神がわたしたちの味方であるなら、だれがわたしたちに敵し得ようか。
(ローマ人への手紙8章31)

昔、アフリカからたくさんの黒人が奴隷としてアメリカに連れて行かれました。黒人た
ちは、お金で売り買いされ、苦しい労働を強いられました。1863年に、リンカーン
大統領の「奴隷解放宣言」によって、長い間続いた奴隷制度がやっと廃止されるまで、
1500万人もの人たちが船底に詰め込まれて大西洋を渡ったということです。
奴隷制度が廃止されたといっても、人の心はなかなか変わるものではありません。特に
南部の地方では、激しい差別がありました。学校もレストランも、黒人用と白人用に分
かれています。バスに乗るときでさえ、黒人は後ろの席に座らなければなりません。こ
のような差別を受けるうちに、白人に対する復讐心に燃えて、暴動を起こす黒人指導者
も現れました。
けれども、マーティン・ルーサー・キング牧師は、武力による運動には反対でした。救
い主を信頼し、イエス・キリストの愛の精神によって、差別をなくすための抗議運動を
続けました。黒人を差別するバスには乗らないというボイコット運動は、新聞やテレビ
で報道されて、世界の人々に人種差別について考えさせました。乗客の75%をしめる
黒人が乗らなくなったのですから、困ったバス会社は、「キング牧師を殺してやる」と
脅したり、警察を買収して刑務所に入れられたりしましたが、神様が正しいものの味方
であることを信じるキング牧師は少しも恐れませんでした。バスのボイコット運動は3
82日間も続きましたが、1956年11月1日、ついに最高裁判所が、「バス会社の
差別は合衆国の憲法に違反するものである」という判決を下しました。
1963年8月28日、「奴隷制度廃止100年」を記念する行進が行われました。リ
ンカーン記念堂の前でのキング牧師の演説は、歴史的な名演説として知られています。
「私には夢がある。いかなる困難があろうとも、私はなおも夢を抱いている。その夢と
は、いつの日かこの国に、『すべての人は平等』という当たり前の考えが実現するだろ
うということです。・・・・」
今も世界中に差別があります。肌の色が違うから、民族が違うからという理由で、人々
が憎み合い、争い合っています。わたしたちの周りにも、自分と違っている人を仲間は
ずれにしたり、いじめたりする差別があります。けれども、神様がすべての人を愛して
いらしゃることを忘れてはなりません。
すべての人が愛し合い、お互いに尊重し合うべきなのです。

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