2015年8月16日日曜日

No.125(ジョージ・ワシントン アメリカ初代大統領)

ジョージ・ワシントン  アメリカ初代大統領

 その日は、寒く、北風が吹きすさんでいました。本部を出たワシントンは外套をま
とい、襟を立て、肌を刺すような風から顔を覆うために帽子を深くかぶりました。全
身をすっかり覆っていたので、彼が軍隊の司令官だとは、誰も気がつかなかったこと
でしょう!
ワシントンが道を歩いて行くと、兵士達が要塞の防壁工事をしている所に差しかかり
ました。そこで立ち止まって、数人の兵士達が丸太で塀を作るのを見ていました。兵
士達は重い丸太を積みあげるために奮闘していました。そのかたわらで、上官づらを
した伍長が命令を与えています。「持ち上げろ! さあ、全員一緒に!」と大声で叫
ぶと、兵士達は一斉に力をふり絞って押しましたが、その丸太は重すぎて、山と積ま
れた丸太の一番上に届きそうに思えた時に、すべって転がり落ちてしまうのでした。
伍長はもう一度叫びました。「さあ持ち上げろ! どうしたんだ? 持ち上げろ、と
言っているだろう!」
兵士達はもう一度、懸命に持ちあげようとしましたが、もう少しで上に届きそうに
なったところで、丸太はすべり、またしても転がり落ちてしまったのでした。
「力をこめて持ちあげろ!」と伍長が叫びました。「さあ、全員一斉に上げるんだ
!」 また懸命にやってみました。そして、三度目に丸太が転がり落ちそうになった
時、ワシントンは大急ぎで駆け寄り、全身の力をふりしぼって丸太を押しました。
すると、丸太は胸壁の一番上にうまく転がり込んで収まったのです。汗びっしょりの
兵士達が、あえぎながらもしきりに礼を言い始めると、ワシントンは伍長の方を向い
て言いました。
「君の部下達がこの重い丸太を持ち上げるのを、なぜ手伝わないのか?」 ワシント
ンが尋ねると「何だと?」と伍長は言い返しました。「私は伍長だぞ。おまえにはわ
からんのか?」
「無論わかっている!」 そう答えると、ワシントンは、外套をパッと開き、その軍
服を見せたのでした。「私はただの司令官にすぎない! 今度、丸太が重くて君の部
下達に持ちあげられないようなら、私を呼んでくれたまえ!」

「神と聖書なしに、この世を正しく統治することは不可能である」。
(ジョージ・ワシントン)

George Washington アメリカ合衆国初代大統領 (1732年〜1799年)
建国の父として、国民から高い尊敬を得ている。
ワシントンはまだ正規軍として確立していなかった寄せ集めの兵からなる民兵組織を
再編し、訓練しなおしながらイギリス軍と戦った。困難な体験の中で、彼は新しい国
家がどうあるべきかを探っていた。  

「すべての人間は生まれながらにして平等であり、創造主によって一定の奪いがたい
権利を与えられ、そのなかには生命、自由、および幸福の追求が含まれていること
を、われわれは自明の真理であると信じる」  (独立宣言書の一節)

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