2015年8月16日日曜日

No.137(失敗を恐れずに)

失敗を恐れずに

静岡県の聖隷福祉事業団の創設者・長谷川保氏は、日本で最初のホスピスをつくった
人である。彼はまた、寝たきり老人を世話する、日本で最初の特別養護老人ホームを
つくった人でもあった。
当時はまだ、そうした特別養護老人ホームに関する法律は全く整備されていなかっ
た。しかし「法律の先を進め」が口癖だった彼は、法律に先んじて人々の必要とする
事業に乗り出していった。
彼の前に道はなかったのである。彼のうしろに道がつくられていった。
長谷川氏は、「エデンの園」という有料老人ホームもつくった。彼はあるとき専務理
事に言った。
「私の残りの人生は、あと10年くらいだと思う。その間に全国にエデンの園をあと
100か所つくりたい。そうすると、1年に10か所つくっていかなきゃならん。
1か所に10人から15人の看護士、ヘルパーがいる。
とすると、100人ずつ養成する学校を造らにゃならん」
専務理事は、
「はい、わかりました」
と言って、その実現のために努力した。しかし100か所つくるとは言ったものの
、結果的に実現できたのは11か所であった。
長谷川氏が召天する少し前のこと、専務理事がそれを言うと、長谷川氏は高笑いして
言った。
「1割できれば、大成功だぞ。人々は、いつも失敗せんようにと言って、びくびくし
ながら仕事をするから、確かに失敗はせんかもしれんが、どれだけの仕事を残せる
か。100か所つくるといって、11か所できれば大したものだ。結果として、そ
れだけのものが残せたじゃないか」
どうだろう。私たちは失敗を恐れるばかりに、小さくまとまり過ぎていないか。


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