救われた元特殊工作員
1987年11月、ミャンマー沖上空で。大韓航空機が爆発され、115人の犠牲者が
出ました。すぐに、当時25歳の女性が逮捕されました。朝鮮民主主義人民共和
国(北朝鮮)の特殊工作員、キム・ヒョンヒです。韓国は、いったん死刑の判決を言
い渡しましたが、彼女から北朝鮮の情報を得るために特別に赦免して、韓国の公
安機関で働かせることにしました。
死刑は免れたものの、罪の大きさにおののくキムさんは、ある日、教会に誘われまし
た。そして、毎日、2,3時間、ハン・ギマン牧師から聖書を学ぶうちに、「私たちが
まだ罪人であったとき、キリストがわたしたちのために死んでくださったことにより、
神は私たちに対するご自身の愛を明らかにしておられます」という御言葉に出会い
ました。
イエス様が私たちの罪のために亡くられたということに心を揺さぶられ、神様がい
らっしゃることが信じられるようになりました。そして、神様に頼り、神様の御言葉に
従って生きようと決心しました。
キムさんが教会に出入りしていることが知れると、犠牲者の遺族たちから、「どうして
あんな多くの人名を奪った罪人を教会が受け入れるのか」と抗議や脅迫の電話が
かかりました。
ハン・ギマン牧師はいつも、「教会は、罪人が来るところです。罪を犯した人間こそ、
神の恵みと赦しを受ける必要のある人なのです」と答えました。
キムさんが初めて教会の集会で証をする日、大勢の信者が拍手をしてキムさんを
迎えました。「私は、1987年11月29日に、大韓航空機を爆破して、115名
の罪なき人の命を奪ったキム・ヒョンヒです。」会衆の中には、あのとき命を落とし
たフライト・エンジニアの奥さんのイ・ミヤンさんもいました。キムさんは、証の終わ
りを次のように締めくくりました。
「飛行機に爆発物をおいた後、私が死んでいたら、北朝鮮の企てた野蛮な行為は
永遠に明らかにされませんでした。神様は、極悪な犯罪を立証するために、私を殺
さず生き残らせたのです。韓国の国民のみなさんを失望させぬよう一生懸命に生
きて、まだ神様の恩恵を受けずにいる人々を神の道へと導きます。」
その言葉を聞いた会衆はみな、「アーメン」と力強く応じました。
キムさんは今、自伝を書いて得たお金を遺族のために使う計画を立てています。そし
て、「どんなことをしてでも遺族に尽くしたい、それが、私が一生をかけてすることだ
と思います。」と言っています。
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