2015年8月15日土曜日

No.008(どうすれば英語が話せるか 日本人のための英語教育)

どうすれば英語が話せるか 日本人のための英語教育
  (10月19日 NHK 放送分)   メールマガジンより転載

●日本英語
 グローバルアメリカンのこのご時世、英語がますます重要なものとな
ってきている。積極的な外資系参入により上司が突然ガイジンになっ
たり、社内公用語が英語になったりする。

 中・高・大と日本式英語を真面目に勉強してきた人は、道を尋ねら
れてもあたふた戸惑う人がかなりいるはず。

TOEICの各国別平均点
韓国    456
台湾    488
中国    531
マレーシア 669
日本    439

 受験者数と層が全く違うため、一概に日本人の成績の低さを責め
ることはできないが、やはり昔からいわれているように日本人は英
語が苦手。

 文部省はそれまでの英語教育方針を見直し、来年4月から公立
小学校でも英会話の授業を設けることにした。指定教材や指導法
は特にない。全てそれぞれの学校、担当者が自分なりに考えてい
かなければならない。

 この流れを受けて、英会話学校も幼児・児童教室をゾクゾクと開
講している。早期教育こそ日本人の英語能力を伸ばすきっかけに
なるだろうと大きな期待を集めている。


●ゲストの語学観
 今日のゲストは玉川大学学長のグレゴリー・クラークさん。元外交
官で5カ国語を使いこなす。

1.小学校の英語教育について

 「にわか英語教師ですね。でも、教えることに対してそんなに努力
する必要はないですよ。肝心なのは正しい教材を選ぶことです。ま
ず、テープからでいいですから、童謡や童話、アルファベットの歌な
どリズムのある正しい英語を“耳から”教えていけばいいんです。

活字もある程度は大丈夫。birdだとか、frogだとか簡単なものでい
い。活字から音を出せるようになればそれでいいんです。文法や
読み書きは中学校からでいいでしょう。」

2.私の語学学習

 「私が日本語を勉強し始めたのは33歳からです。日本人にとって
英語は難しいかも知れませんが、ガイジンにとっても英語は難しい。
それまで、外交官として中国語とロシア語を勉強してきましたが、
日本語も耳から覚えるようにしました。

ラジオを毎日毎日、録音して繰り返し繰り返し、そして深く聞きます。
最初は簡単な日本語から覚えていくんですよ。天気予報なんか。
で、覚えたらその日のうちに使ってみる。近所の赤ちょうちんに行って、

『キョウ、スバラシイイドウセイノコウキアツガ…』。

 口の訓練が大切です。できるだけ早く使って、話すことで記憶に定
着させます。文法も好きですよ。でも、まず聞くことです。その順番を
間違えないことです。

3.日本の問題点

 「日本人がなぜ英語に苦手意識を持っているのかといえば、やっ
ぱり私見のための英語ということです。特に大学入試。日本人は難
しい英語を勉強しすぎです。読み書きばかりやっているから、間違
た発音をそのまま覚えてしまう。

試験英語はかえってマイナスになるだけです。間違った英語をイン
プットしていれば、正しい英語を勉強始めると、一度これを壊さなく
てはなりません。耳で覚えず、意識で覚えているから英語を話すと
きいちいち頭の中で日本語を考えている。」

 「真面目な英語学習なんて必要ないんです。日常会話、買い物、
あるいは恋人探し…。私がもし文部大臣なら、大学入試から英語
を廃止してもいい。いや、もっと簡単にします。集中的に英語を勉
強するのは大学に入ってからでいいんです。

大学以前はとにかく耳を中心に、簡単な勉強すること。中学高校よ
りも大学に語学の重点を置くのはもはや世界の常識です。アメリカ
なんかは例えば経済と日本語だけを、毎日1時間2時間、口、耳、
文法と集中して行います。アメリカでもオーストラリアでも、そうやっ
て日本語を話せるようになった若い人はかなりいますよ。

とにかく、小学校の英語指導に関しては、そんなに難しく考えずに。」


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